東野圭吾の新刊が出てたのでさっそく購入して読了。
東野圭吾「白鳥とコウモリ」(幻冬舎刊)
遺体で発見された善良な弁護士。
一人の男が殺害を自供し事件は解決――のはずだった。
「すべて、私がやりました。すべての事件の犯人は私です」
2017年東京、1984年愛知を繋ぐ、ある男の"告白"、その絶望――そして希望。
「罪と罰の問題はとても難しくて、簡単に答えを出せるものじゃない」
私たちは未知なる迷宮に引き込まれる――。
分厚いし、帯に書いてある宣伝文句が「新たなる最高傑作」とか「東野圭吾版『罪と罰』」煽りまくり。
ボリュームたっぷりだけど文章は相変わらず読みやすくてサクサク進めましたけどね。
30年前の愛知の会社の詐欺事件は明らかに豊田商事事件がモデルでしょう。
作者得意の人情派ミステリーで加賀恭一郎シリーズ好きならまず気に入ると思います。
っていうか、そのまま刑事役を加賀にしてもいいくらい(笑)
若干ネタバレになるけど、東野作品でページ数の浅い段階で犯人とおぼしき人物が自供するパターンは大体過去の因縁から誰かをかばってることがほとんどで今回もそのパターン。
それ自体は物語中でも被害者家族、加害者家族も気づいて途中から共同で真相を探ろうと動きます。
少しずつ真相が明らかになっていく過程の見せ方やリーダビリティは作者の本領発揮といったところでしょう。
それでも、最後の方で明かされる真犯人は意外かつ様々な伏線を回収するものになっていたと思います。
タイトルの意味もここでわかります。
そこから大ラスでまた新たな事実が発覚するけど、この部分をつけたことの賛否両論はあるかな。
個人的にはそこを付け足すならページ数を割いてもう少し掘り下げてもよかったのではとも思いました。
また映像化されるかな。