この書庫を更新するのは何ヶ月ぶりだろうか。。
東野圭吾の新刊が出てたので、速攻購入して、一気読み。
好きな作家の新刊を読んでるときって、至福のときです。
東野圭吾「赤い指」(講談社刊 1500円)
久しぶりの刑事、加賀恭一郎もの。
息子が犯した愚かな犯罪。
それをかばうために、両親はある行動に出る。。
犯人側の行動がかなり浅はかなので、謎解き的には物足りない感じ。
実際、探偵役の加賀は即座にあやしいと見抜きます。
ただミステリー仕立てとはいえ、この作品の本質は謎解き部分ではありません。
現代の家族が抱える家庭内の問題、主に親と子の絆がテーマです。
犯罪を犯した息子と両親、そしてそこに同居する認知症の祖母、刑事の加賀の方にも死期のせまった父親がいます。
これらの要素を刑事の側からの視点、犯人側からの視点、2つの視点から交互に語られていきます。
最後のほうのサプライズもミステリー慣れした人なら驚きは少ないかもしれません。
それでも、あまりにも愚か過ぎる犯人、犯罪の中、ラストでは一筋の光がみえるような描き方は読後感がなんともいえない余韻を残します。
このところの東野作品って、「容疑者Xの献身」といい、こういうパターンがキレイにはまって、後をひくなぁ。
読みやすさといい、もはや職人芸。