オッペンハイマー

午前中あいてたので、アカデミー賞でもいろんな賞をとっていたオッペンハイマー、封切り初日に観てきました。

 

 

評伝を元に、原爆を開発したロスアラモス研究所の所長で理論物理学者のロバート・オッペンハイマーの半生を映画化した作品。

 

核兵器開発の場面と並行して後年の赤狩りに巻き込まれ公職追放されるに至る査問の場面が交互に描かれています。

 

広島に原爆が投下されたニュースを聞いて大喜びするアメリカ人のシーンは頭の中では理解していても日本人として複雑な心境になりますが、大量破壊兵器を開発したことへの責任感に苛まされる姿の描写も少しはありました。

 

原爆投下に対して少しでも否定的な描き方をするアメリカ映画って今までほとんどなかったから、あちらの方でも世代によって感じ方が違うということかもしれません。

 

科学の発展と兵器の進歩は裏表みたいな関係ですからね。

 

この世に普遍的な倫理のようなものがあるかはわからないけど、政治力にそれがねじ伏せられたとき、不幸が訪れる過程も垣間見られる映画だと思います。

 

主演のキリアン・マーフィーは外見も似てるし、演技も迫真でした。

 

正直、難しい部分はあるので、鑑賞する人を選ぶでしょう。

 

原爆の仕組みはもとより、日本人だと赤狩りについてもある程度予備知識がないと??となる人の方が多いかもしれません。

 

それでも、3時間という長い尺の作品全体を通じて、オッペンハイマーが感じたであろう緊張感はなんとなく共有できるのではないでしょうか。