今さらですが、北京五輪が終わりましたね。
チベット問題など北京での開催ということについては様々な議論ありましたが、テレビ観戦する限り大会自体はスムーズに運営されてた気がします。
開会式や閉会式の人海戦術のスケールもすごかったですｗ
で、オリンピックがおわると（大会中も）「全部で日本は金メダルを○個、銀と銅をあわせて○○個メダルをとりました」って報道されます。
そういった報道をみてていつもいつも思うのは、
もちろん、それぞれの競技で日本人の選手が出てれば応援するし、それでメダルをとればうれしいし、負ければ残念に思う。
出場している選手やチームのレベルではすごく大きな意味があるし、メダルを獲得した人が母国でヒーローになるのはどこの国でも一緒だと思う。
だけど、それをわざわざトータルして、国別にメダルの個数を比較して、「日本は○○番目」みたいなのはどうなんだろ？
おそらく国別のトータルのメダル数を気にしてるのなんて、開催国と東アジア、アメリカ、ロシアくらいじゃないでしょうか。
国際的に底辺の広い競技だけならともかく、これだけ競技が多岐にわたるともはやわけワカラン。
「これもオリンピック競技なの？」って思うのも結構あるし、一昔前の日本の柔道や韓国のテコンドーみたいに一つの国が荒稼ぎできる競技もあれば、シンクロナイズドスイミングみたいに始まる前からほとんど結果が決まってる競技もあります。
だから、今回の中国のように競技人口が少なく、あまり純粋な身体能力だけではきまらない競技を人海戦術で狙い撃ちして強化しちゃえば、国としてのメダルの数だけは増えることになります。
もちろんそういった競技に携わってる人たちにとってオリンピックはモチベーターとしての役割も含めて十分意味はあるけど、それは陸上の１００メートル競走あたりとはまた違った意味のような気がします。
ハッキリ言って、野球なんかも世界的にみたら「どうでもいい競技」の一つでしょ。
まぁ、それはさておき、こういったオリンピックのあとなどに毎回のようにクローズアップされてくるのが、「スポーツ庁の設置議論」。
で、この種の議論が「オリンピックでのメダル獲得数」を契機に語られるのってちょっと違う気がします。
日本国中でスポーツをやってる人はたくさんいるけど、オリンピックに関係する人なんてほんと一握り。
確かにメダリストをみて、スポーツに興味をもつ少年たちもでてくるのは間違いないけど、そんなの一瞬の現象にしかすぎないわけで。
そのために官庁を新たに設置するんだったら、税金の無駄遣いもはなはだしい。
いや、別にスポーツの官庁を新たに作ること自体はむしろ賛成なんですよ。
現状のスポーツ界と行政の関係って結構イビツですから。
利権がいろいろからみあって、前に進んでいかない話も多いってききます。
どちらにせよ、国として何かをするのであれば、高齢化社会の中で国民全体の健康促進や底辺の競技人口拡大のために、より多くの人がスポーツに接することのできる環境整備しかありえないでしょう。
「体を動かすことの楽しさを感じる」機会をより多くの人に与えるものであるべき。
芝生グラウンドの整備や中高年含めたあらゆる年代向けのスポーツ講師の派遣とかそういったものなら税金を使っても誰も文句はいわないはず。
底辺は拡大すれば、国全体でおのずと競技レベルもあがってくるもんじゃないでしょうか。
そういう意味ではスポーツに関するあらゆることを統括的に監督する役所はあってもいいとは思う。
おエライ方々が「オリンピックのメダル獲得数うんぬん」をお題目にしてこういった官庁を設置しようとしているのって分かりやすくはあるけど、「スポーツ」の意味を曲解してる気がします。
まぁ、言語的にも「ＳＰＯＲＴＳ」に相当する日本語訳ってのもなくて、なかなかうまく説明できませんが(;^_^A ｱｾｱｾ･･･
日本ではどうしても「スポーツ」って高校野球みたく「歯を食いしばって練習して、試合や競技に勝つ」みたいなとこに向かいがちだけど、本来はそんな意味じゃない・・・はず。
もちろん、どの競技にしてもある一定のレベルに達しないと「楽しめる」ところまでいかないから、そのための努力は必要だけど、そっからさきは人それぞれでいいもんでしょ。
一部のスポーツエリートだけを税金つかって育成することによって、国家レベルのメダル数がふえたって、一般の国民の生活にはほとんどなんの影響もない。
そのための「スポーツ庁」だったら、少なくとも今の日本にはいらない。
逆説的だけど、日本がそれを設置をするべきときは、そのお題目に「オリンピックでメダルうんぬん」という文言がなくなったときではないだろうかと思う。
