貴志祐介「ダークゾーン」

この連休は咳がとまらず、ほとんど部屋でグッタリ。

九州国立博物館で今日まで開催してたゴッホ展もチケット買ってたのに、結局行けませんでした。

いつも風邪ひくときはノドから痛くなるので、その時点で薬飲むことによって、すぐ回復したんだけど、今回はいきなり咳からきたために、予兆がなかった。

とりあえず食後に栄養ドリンクと一緒に風邪薬とアリナミンを飲んで、咳止めシロップを飲んでますが、それでもまだ治らん。。

明日も仕事のアポが朝から結構あるから、一晩寝て治ってないと、余計こじらせてしまいそう。(ノ_・、)グスン

外に出ないかわりにじっくり本を読んだり、テレビは観れるので、珍しく立て続けに読書の書庫を更新。


貴志祐介「ダークゾーン」(祥伝社刊 税別1800円)


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日本将棋連盟奨励会に属するプロ棋士の卵である塚田が覚醒すると、そこは闇の中だった。

その《ダークゾーン》で異形と化した17人の仲間とともに場所も状況もわからぬうちに闘いが始まる。

“人間が異形と化した駒”、”敵駒として生き返る戦士”等の奇妙な戦術条件、昇格(プロモーション)による強化など、将棋にたようなルールの下で行われる七番勝負。

塚田はこの世界に送り込まれ、闘うことになったのか分からないまま、闘い続けることになる。

昨年春まで「小説NON」で連載されていた貴志祐介の新刊。

本屋で見つけるなり、速攻で買って、一気に読みました。

主人公がいきなり不条理な異世界に放り込まれるところなどは作者の「クリムゾンの迷宮」のようなイメージを持っちゃいますが、あれと同じものを期待するとちょっと肩透かしくっちゃうと思います。

世界観としてはあれよりもずっとイッちゃってるので、リアリティ薄いし。

でも、相変わらず一気読み度はかなり高いですよ。

物語では7番勝負の合間に主人公の塚田がダークゾーンに送り込まれる前の出来事が挿入され、ラストで真相が分かる仕組み。

将棋の奨励会の描写が結構出てくるから、将棋を知っていればより楽しめるだろうし、将棋のルールを知らなくても全然楽しめると思います。

っていうか、ダークゾーンでの7番勝負は将棋というより、ゲームの「ファイアーエンブレム」シリーズのようなファンタジー世界を舞台にした戦略シミュレーションに近いですね。

ああいったの世界に自分が放り込まれたような気分を味わえます。

なので、もうちょっと図みたいなのがあれば、分かりやすかったのになぁ。

正直、マジメに考えて読んだらついていくのはタイヘンかも。

そこそこ飛ばし読みしても、読んでいる間は手に汗握るようなドキドキ感は味わえるのいいのかな。

オチに関してはああいう形でしか処理しようがないのは分かりつつも、賛否両論ありそう。

貴志作品だと読む方もいろいろ期待しちゃいますからね。

まぁ、作品全体としてはエンターテインメントに徹しきっているという点ではこれはこれでアリだとは思いましたけど。