ケン・リュウ「蒲公英王朝記 巻ノ二  囚われの王狼」

7月に入ってから、暑くてたまりませんね。。

クールビズなのに、外出してると、それだけで汗だくになります。

さて、5月に読んだ本の続刊の感想です。

ケン・リュウ「蒲公英王朝記 巻ノ二 囚われの王狼」(早川書房


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人を惹きつけてやまない天性の魅力をもったクニ・ガルと、皆殺しにされた一族の復讐を胸に生きる男マタ・ジンドゥ。

ザナ帝国打倒の旗印のもと、ふたりは永遠の友情を誓ったはずだった―。帝国との戦いが激しさを増すなか、マタは鬼神のごとき活躍で都市を制圧していく。

いっぽうクニは驚きの奇策を講じ、帝国の首都パンでついに皇帝を捕らえる。

だが、ある行き違いから自身が裏切られたと思い込んだマタは、クニと袂を分かち、覇王として即位することを宣言する。

運命に選ばれたふたりの男を中心に、戦いのなかで煌めく人の願いと祈りを描き出した幻想武侠小説、第二巻・第一部完結篇。

前巻同様、舞台設定は違えど内容はほぼ楚漢戦争の「項羽と劉邦」まんま。

名前がカタカナで覚えにくいので、主要キャラ以外は途中で誰が誰だか把握できなくなることが何度かあったけど、欧米人向けとしてはその方がいいんでしょうね。

前の巻の記事でも書きましたが、元ネタが面白いので、それなりに読めますが、さすがにトレースしすぎて、「これを小説と言っていいのか?」という疑問すらわきます。

日本人には超有名エピソードばっかだし。

アメリカ人相手だと通用するってことでしょうか。

第一部は項羽役のマタが滅んで、劉邦役のクニが天下を取るところまでで終わっていましたが、あとがきによると第二部以降は彼らの子どもの世代の物語になるとのこと。

さすがに、そっから先は「史記」ネタまんまってことはないと思いたいけど、どうなるかは気になるので、たぶんまた買ってしまうと思います。。(-_-;)