レッドクリフ

先日、仕事帰りに久々で映画の完成披露試写へ。


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タイトルからもわかるとおり、三国志演義のクライマックス、赤壁の戦いの場面の実写映画化作品。

総制作費100億円でスペクタクルな合戦絵巻とうたってましたが、自分としてはこの手の大長編作品の映画化に満足したためしがないので、あまり期待せずに鑑賞。

どうしても大事なところをはしょらざるを得ないし、あまりに有名な物語だけに、観る側としても思い入れのある人多くて、それだけに作品へ求めるハードルも自然と高くなっちゃいますからね。

逆に全く知らない人にとっては何がなんだか分からなくなる可能性もあり、そのへんの匙加減も難しいんで。

個人的にはこの映画も中途半端にいろいろ盛り込もうとして、あまり入り込めなかったです。

っていうか、そもそも全然完結してないし


上映前のアナウンスで「一般上映のときは続編の予告編も最後に流れます」ってきいたときに「へ?」って思ったけど、今回の分ではいわゆる赤壁の戦いの前哨戦の部分だけしか描かれてないです。

連環の計や苦肉の策、火計を用いて曹操軍をやっつけるシーンまで到達してません。

そのあたりはもちろん続編で描かれることになるのでしょうが、今回の分だけだと、期待してたような大船団が燃え盛るクライマックスシーンはもちろんなし。

そういう情報も全く知らなかったから、ちょっと肩透かしされた気分になっちゃいました。

細かくやりだしたら、キリがないくらいだから致し方ないのは分かるんですけどね。。

自分としてもそんなに思い入れはないつもりだったんですが、それなりに知ってることもあるので、どうしても点は辛くなりがちです。

ついでにいうと、竹内結子たんを×1にしやがった憎き中村獅童が特別出演してるのも大いにマイナスですw

金城武孔明役はなんとなくOKかな。

当然かもしれないけど、中国語も完璧で感心しちゃいます。


もっとも一般に知られてる赤壁の戦いって、「三国志演義」の脚色がかなり入ってるんですけどね。

史実の「三国志」の方は結構あっさりした記述で、魏書の武帝紀あたりだと一行ですませてるし、呉書の周瑜伝あたりでようやくちょっとつっこんで書いてある感じ。

それも曹操と戦うか降伏するかって議論の部分の方がむしろ長いくらいの記述のされ方。

戦闘シーンについては、曹操軍が疫病で死者が多くて悩まされているところに、呉軍が藁や薪をいっぱい積んだ船に火をつけて突っ込んで船団を焼き、相手が退却するところをさらに追撃した、ってことくらいしか書かれてないんで。

三国志演義」の作者の羅貫中は元末~明初の人で、当時、明の太祖朱元璋がライバルの陳友諒を破った鄱陽湖の戦いを参考に、この赤壁の戦いのシーンをふくらませて描いてるみたいです。

鎖でつながれている船団に火をかけるのもそうだし、赤壁の戦いに登場するような離間の策も用いてますからね。

彼自身、同時代に長江下流域で勢力のあった張士誠に仕えていたらしいから、そのあたりの詳しい情報も耳にする機会もあっただろうし。

あ、ちょっとマニアックな話になっちゃってますか?(;^_^A アセアセ・・・

映画があまりにガッカリだったんで(あくまで個人的に)、ついつい脱線しちゃいました。m(__)m


ちなみに映画本編の上映時間は145分ですが、一般上映のときには最初に時代背景の解説、ラストに続編の予告が入るので、もうちょっと長くなるそうです。

11月1日に公開予定。

観にいく人は続きも観るつもりで、今回の分はあまり期待せずにどーぞw