小川一水「煙突の上にハイヒール」

せめて月1ペースくらいでは更新したいなぁと思ってる読書の書庫。

でも、本自体は読んでいても、サクッと読み流せるのがほとんどなので、なかなか記事かけません(^_^; アハハ…

そうじゃないのは最近ではロバート・チャールズ・ウィルソンの仮定体シリーズで「時間封鎖」の続編「無限記憶」を読んだけど、前作よりのめりこめなかったこともあり、記事にする気があまり起きなかったんですよねぇ。。

まぁ、いちおうサクサク系の中でも好きな作家の新刊が出てたんで、久々にこの書庫も更新。

小川一水「煙突の上にハイヒール」(光文社刊 税別1500円)


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近未来のテクノロジーを使った発明品とそれにまつわる人々の物語を描いた短編集。


背負って使用する個人用ヘリコプターを思い切って購入したOLが主人公の表題作、「煙突の上にハイヒール」。

ネコの首輪につけられるような超軽量の車載カメラを利用していたら、思わぬ事件に遭遇することになる、「カムキャット・アドベンチャー」。

クリスマス・イブの夜にカフェで出会った介護用ロボットとのささやかな交流を描く、「イブのオープン・カフェ」。

人型ホーム・ヘルパー用のロボット開発を手がける男たちの物語、「おれたちのピュグマリオン」。

パンデミック後、割り当てられた孤児を扶養する義務を負う法律が施行されている世界で生きる一人の男と少女との関係が語られる、「白鳥熱の朝に」。


の6編

ジャンルとしては近未来SFでしょうが、どれもそれをとりまく人々の人間ドラマのようなところがメイン。

元々SF作家の中でもとっつきやすい文章を書く作者の作品の中にあっても特に読みやすい部類の作品集だと思います。

どれもハートウォーミングで、その分作者らしい「キレ」があまりなかったかな。

同じ作者の短編集の中でも以前も記事にした「老ヴォールの惑星」とか「フリーランチの時代」のようなテーマ性は薄め。

そして、特に中盤にでてくるロボットもののあたりは、どうしても山本弘の「アイの物語」あたりと比べてしまって、物足りなく感じちゃいました。

まぁ、これは「アイの物語」の出来が素晴らしすぎだからなんですが。。


小川一水って、SFでありながら読みやすいという点で大好きな作家だけど、出す出版社によって微妙に作風が違ってる気がします。

ハヤカワで出す単行本はほぼハズレなし(「第六大陸」は少しおちるかも)でどれもハイクオリティ。

ただ、そこを基準に考えると他の出版社で出す場合はややテーマを柔らかめにしすぎて、物足りなさを感じることが多いかも。

ジュブナイル作品になると、完全にガキ向け仕様でイマイチ。

導きの星」はそれなりに面白かったけど(^_^; アハハ…


個人的にはミステリー界の東野圭吾と並んで、ほとんどの作品を読ませてもらってる作家なので、将来的にも期待したいなぁ。


オマケ


今日ふっと本屋寄ったら、なんとこの続刊を発見。

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43巻が1月に4年ぶり出たばかりだったので、超ビックリしましたが、速攻でレジに持って行きました。

今回は結構急展開もあって、亜弓さんがタイヘンなことに。。(;゜〇゜)

そして、紫織さんがとうとう速水社長の秘密を。。。

あぁ、45巻がはやく読みたいw