マイマイ新子と千年の魔法

この前の週末は積みまくりの本をじっくり読もうと思ってたけど、土曜も日曜も午後から深夜までスカパーで延々とサッカーを観てしまって、なかなか片付かず。。

週明けにはまた読書の書庫を更新できるかなという目論みもくずれたので、こういう困ったときにはかわりに試写で観た映画の感想ネタでw



イメージ 1

監督:片渕須直 声の出演:福田麻由子水沢奈子ほか

昭和30年、山口県防府市国衙。

千年前には「周防の国」と呼ばれていたこの街に生まれ育った小学3年生のお転婆少女・新子は、毎日街中を駆け回っては、発見と驚きにあふれた毎日を過ごしていた。

そんなある日、新子のクラスに都会から転校生・貴伊子がやって来る。

初めはそっけない態度をとる貴伊子だったが、好奇心旺盛な新子にひかれ、次第に溶け込んでいく。

そして、やがて新子がいつも空想していた千年前の世界が、不思議な出来事となって2人を包み込んでいく――。

高樹のぶ子の自伝的小説「マイマイ新子」を長編アニメーションで映画化した作品。

時をかける少女」とか「サマー・ウォーズ」のスタジオが製作してます。

高樹のぶ子って大人の恋愛ものを書くイメージしかなかったけど、こんなのも書いてたんですねぇ。

ってことで、読んだことないですが、原作の評価もかなり高いので、ちょっと期待しながらの鑑賞でした。


昭和30年という時代は田舎ではやっと戦後の傷跡がいえた時期で、高度経済成長のちょっと手前くらい。

冷蔵庫もまだ普及してなくて、テレビは東京でようやく放送が開始されてるだけというころ。

物質的には豊かではなくても、地域の人々の結びつきとかが残ってる情景とかが描かれていて、ノスタルジーにひたれました。

タイトルに「魔法」とあるけど、別にファンタジーではなく、新子たちがイマジネーションを働かせることによって見える千年前の世界がオーバーラップして描かれます。

「テレビシアにかける橋」とか「トム・ソーヤの冒険」とかの世界を時代と場所を置き換えた感じ。

かといって、子供にはちょっと過酷ともいえるくらいなその当時のダークな部分も書かれたりしてるのが、リアリティをもたせてくれてます。

本職の声優を起用してないので、セリフがやや一本調子だったり、唐突な展開もあったりするのが少し残念だけど、まぁ、そのへんは目をつぶろう。

それと、絵もやっぱアメリカのアニメの3Dよりもこういう2次元の温かみのあるのがいいなぁ。

いやぁ~、自分の場合、難病ものとかで無理やりお涙頂戴にもってく映画は3割引くらいの冷めた目でみますが、ノスタルジックなのには弱くて評価も甘くなるんですよねぇ(;^_^A アセアセ・・・

ジプリのでいうと「おもひでぽろぽろ」とかにはすぐ涙腺ウルウル。


最近の子供って遊ぶといえば、同学年だけでその中でもさらに小さな交友関係で屋内でゲームするのがほとんどらしいです。

しかもあらかじめ電話で遊ぶ約束するんだって。

そういうのって物質的には豊かになってるのかもしれないけど、なんだか可哀想な気もしますね。

今の10代の子とか缶蹴りとかゴムとびってしたことあるんだろか?


昭和50年代に濃尾平野の真ん中で多感な時期をすごした自分の場合はまだファミコンとかもなかった時代なので、小学校が終わって公園とか広場にいけば、学年とわずに自然にみんなが集まって野球とかして遊んだ記憶があります。

いじめもあったし、近所の窓ガラス割って怒られたりもしたけど、それでもテレビゲームなんかなくても楽しめたし、今となってはいい思い出のワンシーンとして心の中にその情景は残ってます。

昭和30年だといろいろ不便なことも多かったんだろうけど、きっともっと自由もあったんだろうなぁ。

現代的な感性ではたぶん3世代同居とか近所のつきあいなんてウザく感じてしまったり、いいことばかりではないんだろうけどね。


こういう映画を観ると、便利さとか物質的な豊かさは幸せの要素の一つではあるけど、それらは決して全てではないと思えるし、日本人全体もようやく気づいてきたころなのかもしれません。。

あと、もし自分に子供ができたら絶対に田舎で育てたいなぁって、いつも考えます。

まぁ、生んでくれる相手を見つけるのが先なのは百も承知ですけどねw


そういえば、昭和30年に小学生時代をすごしたのってちょうど自分の両親の世代。

父親や母親が小学生のころはどんな情景をみて育ったのかって今まで考えたこともなかったですが、この映画を観て、ちょっと知りたくなりました。

今度実家に帰ったときでも、聞いてみようかな。。

・・・やっぱ今さらこの歳になってから、改まって聞くのは少し気恥ずかしいか(^。^;)

自分の小学生時代のこととか、いろいろ思い出すことも多い映画じゃないかと思います。


上映時間は1時間33分。

11月21日公開予定。


子供に観てもらいたくて製作されたみたいですが、大人が観ても全然OK。

っつーか、これを観てウルウルきちゃうおじちゃん、おばちゃんって結構いそうな気がしますw