こんばんわ。
今日は仕事がかなり遅くなるの確定で、なかなかおうちに帰れそうにないあややっくすです。
リアルタイムで観れないのは残念無念(ノヘシクシク..
というわけで、どうせ遅くなるので、ちょっと時間のある今のうちに久しぶりに読書の書庫でも更新。
14世紀のある夏の夜、ドイツの小村を異変が襲った。 突如として小屋が吹き飛び火事が起きた。 探索に出た神父たちは森で異形の者たちと出会う。 灰色の肌、鼻も耳もない顔、バッタを思わせる細長い体。 一見すると悪魔のような異星人だったが、怪我を負い、壊れた乗り物を修理する彼ら“クリンク人”たちと村人の間に、しだいに翻訳器を介した交流が生まれる。 いっぽう現代では、統計歴史学者がその村に通常ではありえない例外を見いだしており、またそのプライベートなパートナーである理論物理学者は、まったく新しい宇宙論を着想していた。
SFの中でも大きなジャンルとしてあるファーストコンタクトものですが、今までのファーストコンタクトものって、未来あるいは現代におけるものがほとんどだったけど、本作の舞台は中世ヨーロッパ。
この設定だけでかなり面白くなりそうな予感ありますよね。
ちょっと映画の「第9地区」っぽいけど。
実際、現代から比べて全く原始的な中世の村人が科学の進んだ異星人たちと交流を深めていくところの描写なども面白かったです。
ペストの恐怖が迫り来て、それに立ち向かう人たちと異星人たちが協力しあったりもするし、彼らを受け入れられない人々との対立などもいかにもありそうですもんねぇ。
そして、科学が進んだクリンク人たちから村人が一方的に影響を受けるだけでなく、クリンク人たちも逆にキリスト教に帰依するようになったりもしていきます。
そして中には、なんとか自分たちの世界に戻ろうとする動きと地球に留まろうとする者たちもいたりと、外見こそ全く違うけど、中身はかなり人間的なのもちょっと微笑ましく感じました。
ペストが広がっていくあたりは暗黒のヨーロッパ中世を象徴しているくらい暗い描写が多いのは史実だからしょうがないかな。
ところどころで挿入される現代パートと最終的に見事にリンクしていくところはカタルシスもありました。
実際には自分たちは中世ヨーロッパの世界も異星人も見ることはできないけど、舞台の描写をしっかり書き込むことで、妙なリアリティが出てるのが不思議。
物語序盤は読みづらさも感じるかもしれないけど、中盤以降は入り込めると思います。
やはり先にも書いたようにファーストコンタクトSFと歴史物の融合という設定の勝利かな。
ちょっと新鮮な感覚を味わえるし、なかなか興味深い作品ではないでしょうか。