貴志祐介「鍵のかかった部屋」

超久しぶりに読書の書庫を更新。

貴志祐介鍵のかかった部屋」(角川書店 税別1600円)


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貴志祐介の新刊、今年は結構でますねぇ。

今作は「硝子のハンマー」や「狐火の家」の榎本、青砥コンビが登場する密室ミステリの短編集で「佇む男」、「鍵のかかった部屋」、「歪んだ箱」、「密室劇場」の4編が収録されています。

最後の「密室劇場」は「狐火の家」に収録されている「Dog knows」の続編のバカミスですけどね。

本職は泥棒のセキュリティアドバイザーの榎本のキャラが相変わらず面白いけど、密室トリックに関しては今回の短篇はどれもテクニカルすぎて、種明かしされても素人には??って感じでした。

まぁ、榎本のキャラを押そうとすると、どうしてもそういったたぐいの専門知識をメインにもっていかざるをえないんでしょうね。

表題作の犯人はどこか「悪の教典」のハスミンを思わせるようなサイコキラーっぽさが感じられて、思わずにやっとしてしまいました。

このシリーズ面白いけど、密室にこだわりすぎて、トリック的にはついていけなくなってしまっているのが惜しいなぁ。

いくら頭の良い犯人でも榎本がようやく解明できるようなトリックを仕掛けるなんて複雑すぎてありえないって気がしちゃうし。

おそらくこのシリーズのファンって複雑なトリックよりも榎本のキャラを楽しんでいる部分が強いと思うので、そのあたりのバランスがもうちょっとなんとかなればいいのに。


オマケ


昨日、本屋寄ったら「ガラスの仮面」47巻が出ているのを発見。

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昨年、2ヶ月連続で新刊が出てあまりのことにビックリし、当分出ないと思っていたから、うれしい誤算。

紫織さんの計略でだまされかけたマヤと速水社長の結びつきが逆に強くなるという展開。

そして、紫織さんの黒い部分を知った速見社長が。。

でも、本当にあのグループを敵にまわして大丈夫??