塩野七生「ローマ人の物語」


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文庫でずっと集めていた塩野七生の「ローマ人の物語」のシリーズがようやく全部刊行。

ハードカバーの方は2006年に刊行し終わってたのが、文庫の方は5年遅れで完結しました。

全巻まとめて読むとしたら難しかったかもしれなかったけど、少しずつ出版してくれたおかげで、新刊が出るたびに買い足して、読了することができました。

文庫の第1巻が出たのが2002年だから、丸9年かかって読んだことになるのか。。

文庫で全43巻、古代ローマの歴史をロムルス、レムスの伝説の時代から西ローマ帝国の滅亡まで、ありとあらゆる事象を大所高所から俯瞰しつつ、時代や人の変容を描ききったことはただただ素晴らしいとしか言いようがありません。

質、量とも十分すぎるくらいで、人物にスポットを当てつつ著述されている分、古代ローマ史においてはどんな学者が書く概説書よりもはるかに読みやすくて面白いし、入門書以上の詳しさも持ち合わせているんじゃないでしょうか。

一作家として(ほとんど歴史家に近い人ですが)、これを書き上げるのにはどれほどの研鑽が必要であったか。

作者には感心するしかないし、賞賛の拍手を贈りたいと思います。

おかげでローマ史に関してかなり詳しくなれた気がします。

イタリアに旅行して遺跡とか見ることがあれば、きっとこの本に描かれているいろんなシーンが思い出されるんじゃないかなぁ。

今は十字軍の遠征について書かれた「十字軍物語」がハードカバーで出てて、そちらも評判いいようなので、今度は文庫化される前に読んでみようと考え中。