塩野七生「十字軍物語」

あけましておめでとうございます。

昨年の大晦日に実家に帰省して、昨日戻ってきました。

実家に戻っても、母方の祖母が癌が前進に転移している状態で、いつ亡くなるかわからないような状況で入院しているため、ほとんど落ち着けず、ただ帰ったってだけでしたが。

もう95歳だからしょうがないけど、2ヶ月もこういう状況が続くとまわりもかなりタイヘンです。

父方の祖母が元日で100歳の誕生日だったのに、会いに行くことすらできませんでした。

こちらはまだまだしっかりしていて、元気みたい。

もっとも、年齢が年齢だけにどうなるかわからないですけどね。


昨日、うちに帰ってきてから、面白いテレビもなかったから、続きもののシリーズでようやく読み終えたのがありました。

年末年始をまたいで珍しく読書の記事が連荘です。

まぁ、年末のは漫画でしたがw

塩野七生「十字軍物語 1~3」(新潮社)


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ローマ人の物語」は文庫で全巻そろえましたが、こちらはハードカバーで読みました。

世界史の教科書にも登場するキリスト教徒たちの十字軍の遠征の歴史。

教科書ではほんの数行でしか表現されていないけど、約200年間に8回にわたって行われた十字軍の遠征にまつわる多くの「物語」をボリュームたっぷり、かつ読みやすく著述されていて、面白いだけでなく勉強になりました。

狂信的で聖地奪還のために盲目的に突っ走るキリスト教徒と基本的に受けてたつ側だけに、じっくり戦略的なイスラム教徒という印象を持ちましたが、キリスト教徒の中にもリチャード1世やフリードリヒ2世のような戦上手が出てきたり、イスラムの方では内紛があったりでそのときそのときの勢力図がかわっていくのも興味深かったです。

もちろん最後にはアッコンを陥落させて、イスラム教徒が追い返しちゃうんですけどね。

あと、イスラム側の英雄のサラディンがかっこよすぎ。

ローマ帝国のときと違って、今回はイギリスやフランス、ドイツはもちろん、イスラム側の史料も多く引用しなければいけなかったので、作業的にもたいへんだったと思いますが、マクロ、ミクロの両視点から描ききった作者に拍手。

日本人で地中海世界の歴史を語らせたらもはやこの人の右に出る人はいないですね。

高齢なのが心配ですが、次はどんなのを書くのか楽しみです。


明日は仕事始め。

そーとー行きたくないですが、やることがあるので出ざるをえません。

ぼちぼち仕事のこともいろいろ考えないといけないと。

今年はいい年になるといいなぁ。