上野誠「天平グレート・ジャーニー~遣唐使・平群広成の数奇な冒険」

引越しもあらかた片付き、今は家具や電化製品などをちょっとずつ買い出しつつ、のんびりしてます。

本もちょこちょこ読んでいるので、まずは読書の書庫から更新。

上野誠天平グレート・ジャーニー~遣唐使平群広成の数奇な冒険」(講談社 税別2500円)


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733年の遣唐使で判官として唐に渡った平群広成の物語。

まずは唐に行くときから東シナ海で嵐にあって、やっとこさ蘇州から長安へ。

しかし、時の玄宗皇帝に拝謁して、帰国の途についてからがさあタイヘン。

またも嵐にあって、広成の乗る船は思い切り南の崑崙(今のベトナム)まで流されます。

しかもそこで、乗員たちは現地人の襲撃や風土病でほとんどが死亡。

広成自身も軟禁状態にされるが、なんとか脱出し、再び長安に戻ります。

再度日本に帰国しようとするも、今度は日本と通り道の新羅との関係が悪化してることもあり、北方の渤海経由で帰ることになり・・・


とまあ、あらすじをかいつまんで書くとこんな感じなんですが、実際はこの間に6年くらい過ぎてるんですよね。

もちろん遣唐使で留学とかした場合は10年以上戻れないなんてパターンも珍しくはないわけですが。

主人公の平群広成の場合は、唐だけでなく、結果的にそっから南方や北方の国まで訪れることになり、当時としては一番広い世界をみてきた日本人といわれているそうです。

作中には当時の有名人である阿倍仲麻呂吉備真備山上憶良聖武天皇なんかも登場。

山上憶良が彼の詠む歌のイメージよりも気さくだったり、阿倍仲麻呂が抜け目のない人間だったり、吉備真備はやっぱりちょっとイヤなやつだったり、とそれぞれ人間味豊かに描かれているのが面白かったです。

作者の人、全然きいたことなかったですが、本業は国文学の学者さんのようです。

研究者の割には平易でわかりやすい文章でサクサク読めました。


オマケ

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ガラスの仮面」49巻を本屋で見つけたので、速攻購入。

新刊はほぼ1年ぶりだと思うのですが、相変わらず引っ張りますねぇ。

マヤと速水社長の恋も一気に進展するかとみせかけて、この巻でも紫織お嬢様がいろいろやらかしてくれます。

すっかり波乱をよぶ女となっています。

愛読者としてももはや今後の彼女の行動には目を離せません。

今後もせめて1年に1冊ペースでいいから新刊でるといいなぁ。