ハーラン・エリスン「死の鳥」

ようやく長い夏もおわり、9月。

相変わらず月1ペースでしか更新しなくなってしまったブログですが、読書の書庫は新刊で気に入ったのがあれば、ぼちぼち記事にしよっかなと。。

ハーラン・エリスン「死の鳥」(伊藤典夫訳 ハヤカワ文庫)


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25万年の眠りののち、病み衰えた惑星〈地球〉によみがえった男の数奇な運命を描き、ヒューゴー賞/ローカス賞に輝いた表題作「死の鳥」、コンピュータ内部に閉じこめられた男女の驚異の物語――「おれには口がない、それでもおれは叫ぶ」、初期の代表作「「悔い改めよ、ハーレクィン! 」とチクタクマンはいった」など、半世紀にわたり、アメリカSF界に君臨するレジェンドの、代表作10篇を収録した日本オリジナル傑作選。

〔収録作品〕

「悔い改めよ、ハーレクィン! 」とチクタクマンはいった 
竜討つものにまぼろしを 
おれには口がない、それでもおれは叫ぶ 
プリティ・マギー・マネーアイズ 
世界の縁にたつ都市をさまよう者 
死の鳥 
鞭打たれた犬たちのうめき 
北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中
ジェフティは五つ 
ソフト・モンキー


海外もののSFってかなり時間がたってから翻訳される作品も多いけど、これも一番古いのは50年くらい前に書かれたのが入ってて、70年代の作品がメインで収録されていました。

表現が凝ってて、読みにくさもあるけど、不条理なものへの怒りみたいなものは感じとれました。

好みの作風かと言われれば、明らかに違うし、純粋なSFかどうかも??

日本語訳でこんな複雑な表現になるなら、原文だったら絶対読めないなと思わせる文体だけど、表題作の「死の鳥」を生み出したイマジネーションにはやられました。

「聖書に登場する神=狂った異星人」で「イブを欺くヘビ=賢い異星人」って、チャレンジングな設定ではないでしょうか。

構成も途中で難解なテストみたいなのつけられたりして、かなり斬新。

まぁ、読んでいる方としてはそのおかげでわけわからなくなります(笑)

SF好きな人なら既読の作品もいくつかあるかもしれませんが、コレクションの一つとしてどうぞ。

読みにくい作品の苦手な自分はたぶん再読せずに本棚に飾っておくだけになりそう。。(^▽^;)