好きな戦国武将の辞世の句ランキング

ここ数年、読書数も映画を観に行くこともめっきり減ってしまい、その類のランキングなど語ることができないので、かわりに全く関係のない、好きな戦国武将の辞世の句をあげてみることにしました(;^ω^)

世に知られている辞世の句自体は本人が詠んでいないものもあるし、必ずしも死の直前に詠まれたわけでもないですが、その人の生き様や人生観などを表しているものも多く、結構好きなんですよねぇ。

というわけで、ランキングというわけではないですが、好きな戦国武将の辞世の句を部門別にいくつか紹介。

生き様を感じられるで賞


曇りなき 心の月を 先だてて 浮世の闇を 照してぞ行く


波乱万丈だった人生を振り返って詠んだというのがよく分かりながら、どことなく悟りの境地に達しているまっすぐさも感じます。


いさぎよいで賞



限りあれば 吹かねど花は 散るものを 心短き 春の山風


死期を悟った氏郷の気持ちがよく表れているし、目に浮かぶような情景描写も見事な歌だと思います。
文武両道で個人的にも大好きな武将です。長生きしていたら、家康も秀吉の死後にあれほど簡単に思い通りにはならなかったんじゃないでしょうか。


ストレートで賞


昔より 主を討つ身の 野間なれば 報いを待てや 羽柴筑前


信長の三男だったのに、その部下であった秀吉に追い詰められて切腹する際に詠んだとされる歌。
知多半島にある内海の野間というところで切腹したわけですが、その地は源平の時代に源頼朝の父、義朝が平治の乱で敗れて身を寄せた際、家人の長田親子によって暗殺された場所。「討つ身」と「内海」が掛詞になってます。
その故事と自分の境遇を重ねつつ、秀吉に対する恨みをど直球で表現していて、爽快さすら感じます。


テクニカルで賞


討つ人も 討たるる人も もろともに 如露亦如電 応作如是観


下の句は「にょろやくにょでん おうさにょぜかん」と詠みます。意味は「露のようにはかなく雷のように一瞬のもの」という禅語ですね。
風流人ではあっても、戦国大名としては甘々すぎて、陶晴賢(隆房)に裏切られて、滅ぼされるわけですが、文人大名としての面目躍如ともいえる見事な歌だと思います。
自らの身すら客観視する視点、和歌の中に禅語を入れてくる斬新さ、それでいてリズム感も損ねていないのは素晴らしいと思います。


美しいで賞


散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ


ガラシャは戦国武将ではないですが、個人的にはこの歌ははずせません。
時代に翻弄されたとしか言いようがない彼女の運命ですが、それを全て受け入れて散っていった儚さは歌の通りまさに花のようだったと思います。
そして、下の句の語感には開き直った女性の力強さまで感じるのは自分だけでしょうか。