冲方丁「天地明察」

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冲方丁天地明察」(角川書店刊 税別1800円)


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江戸時代、第4代将軍徳川家綱の時代、碁打ち衆のうちの一家、安井家に生まれた渋川春海は碁をもって将軍家に仕えながらも、算術の魅力にとらわれていく。

やがて、算術以外の学問にも精通している春海に幕府の重鎮から「新たな暦の作成」という密命が下る。

春海は日本各地で星を観測する旅にも同行し、さらに算術を駆使して、新たな暦つくりにチャレンジするが。。

日本独自の太陰暦を作った渋川春海の奮闘を描いた力作。

冲方丁って、SFやラノベのイメージしかなかったけど、今作では時代物に初挑戦。

SFも時代物も大好きなので、本屋で見つけるなり購入しちゃいましたが、いやいや、マジで初めて時代物を書いたとは思えないほど、完成度が高かったと思います。


ちょっとずつズレがある800年以上前に作られた暦を使ってた当時の日本では新しい暦法を求められるようになっていたけど、そこには天文や測量、算術の知識が当然必要。

で、それらに造詣のある春海が抜擢されるという流れですが、これが結構苦労の連続。

最初は中国で新たに作られていた授時暦をあてこもうとして、自信満々に提出するも、授時暦自体に誤謬があり、挫折。

世間からも非難され、落ち込みまくります。

そんな中、算術の天才・関孝和をはじめとした多くの支援者にも見守られ、独自の暦を十年以上かけて作成していくあたりは江戸時代版のプロジェクトXって感じでした。

武家社会の世にあっても、暦に関しては朝廷が司ってたりするから、そのへんの政治工作なんかも工夫してたりするし。

天文学や算術の小難しい理論も出てくるけど、そのへんは適当に読み飛ばせるし、元々がラノベ作家だけあって、全体的に文章も読みやすかったです。

終生彼をささえた恋女房とのエピソードも微笑ましくてよかったと思います。

関孝和のエピソードなんかも彼の凄まじい天才性を感じられました。

時代物であながら、理系チックなテーマなところが作者らしいかも。

一気に作風の幅が広がっただろうし、またこういうの書いてくれるといいなぁ。



オマケ


先日、博多駅方面に行ったついでに、久しぶりに「博多ハンバーグ こが」でランチ。

ここのハンバーグ大好きなんですよねぇ。

前の勤め先が博多駅前だったから、去年までは一週間に1回くら行ってたけど、転職してからは3回目くらい。

もちろん「ハンバーグ」(オリジナルソース、200グラム)を注文。

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値段は以前よりちょっと高めの設定になってた気がしますが、前が安すぎただけですからね。

相変わらず美味しくて、十分満足。


なんか最近、ハンバーグとかカレーの画像をよく載せてますが、別にそればっかり食べてるわけじゃないですからね。。(;^_^A アセアセ・・・