山本弘「UFOはもう来ない」

あけましておめでとうございます。

晦日の歌番組、NHKの「紅白歌合戦」よりテレ東の「年忘れにっぽんの歌」の方が知ってる曲が多くて、楽しめてしまうようになったあややっくすです。


まぁ、それでも紅白は見ましたけどね。

堀北真希たん司会だったし。

相変わらず完璧なかわいらしさ。

小林幸子がいなくなったかわりに水森かおりの衣装がああいうことになったんですね。

でも、一番の見どころは美輪明宏の「ヨイトマケの唄」だったでしょう。

以前、何かのテレビでも見たことありましたが、77歳にしてあの存在感と情景がみえてくるうような表現力。

素晴らしいパフォーマンスでした。


さて、新年最初は読書の記事から。


山本弘「UFOはもう来ない」(PHP刊 税別1900円)


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月の裏側に基地を設け、地球で核兵器が使用されてから60年以上も監視を続けてきた知的生命体・スターファインダー。

彼らは“最終シークエンス"の発動を決定しようとしていたが、地球を低高度で視察していた最高権限者ペイルブルーが地上に不時着、京都の山中に取り残されてしまう。

その第一発見者となった小学生3人組は、ペイルブルーを自宅に連れ帰り、UFOネタなどを取り上げるバラエティー番組を制作するディレクター・大迫に連絡。

大迫は美人UFO研究家の千里と共にかけつけるが、直後に、UFOカルト集団・新興宗教団体DSIにペイルブルーを強奪される。

ペイルブルーを奪還して宇宙に返すため、DSI本部に潜入しようとした大迫たちだったが……。

一言でいってしまえば、山本弘風ファーストコンタクト小説。

作者らしく巷間伝わるUFOネタをちりばめつつ、UFOカルト教団や怪しげなテレビ番組デイレクターなどを登場させていて、スラップスティックな笑いも盛り込まれています。

それでいて、作者の宇宙観や地球外知的生命体であるスターファインダーの描写などは地に足がついていて、SF魂も決しておろそかにはされていないです。

巻末のスターファインダーの解説も面白かったです。

全体的には作中にもよく出てきたアーサー・C・クラークの「幼年期の終り」をちょっとオチャラケにした感じでしょうか。

おそらく作者も意識してオマージュしていると思います。

その分内容は濃くはないので、若干の物足りなさもあったかな。

UFOカルト教団DSIのその後なんてのももうちょっと描いてもよかったかも。

感覚的にはラノベに近いので、気楽なファーストコンタクトものとしてはそこそこ楽しめると思います。