たまには読書の書庫も更新しておきます。
東野圭吾「あなただ誰かを殺した」
閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。
愛する家族が奪われたのは偶然か、必然か。
残された人々は真相を知るため「検証会」に集う。
そこに現れたのは、長期休暇中の刑事・加賀恭一郎。
――私たちを待ち受けていたのは、想像もしない運命だった。
東野圭吾の新刊。
昔、似たようなタイトルの出してたから、改訂版かと思ったら、加賀シリーズの新作でした。
別荘地で起こった連続殺人事件については早々に犯人が逮捕されますが、動機などが不明なため、遺族が検証会を開くことになり、付き添いの一人として加賀が参加。
会の進行役として状況をまとめていくことにより、別荘地の人間関係などが徐々に明らかになっていくという趣向。
犯行に及ぶのは人生上手くいかずにやぶれかぶれになった「無敵の人」。
こういうタイムリーなテーマを最近の東野圭吾はちょこちょこ入れてきますね。
ただ、どう考えても単独犯ではないっぽいのは一読者でも最初の状況から推察できるので、後半は「誰が共犯者だったのか」というところがポイントになってきます。
遺族みんなが容疑者っぽくみえる中で加賀がその共犯者を明らかにするあたりはエラリー・クイーンの「～の悲劇」シリーズっぽかったですね。
っていうか、おそらく作者も意識して寄せてる気がします。
そして、そこから残りページ的に「また、いつもみたいにもう１つくらいどんでん返しでもあるのかな」と思ってたら、案の定。。って感じ。
まぁ、安定の面白さでした。
また映像化されるかもしれないけど、ある役の人選がなかなか難しいかも。
