伊東潤「国を蹴った男」

休みの日以外はほとんどテレビも見れないので、世間の話題にすっかりうとくなってしまってますが、世の中は選挙モードまっただ中ですね。

今回の総選挙の論点、いろいろ挙げられていて、その中で「原発」の是非があるのですが、これって少し違うと感じています。

だって、この問題って安全面のことももちろんあるけど、代替エネルギーのことやエネルギー安全保障の問題だって当然かかわってくるし、国家として何が正しいなんて結論も専門家ですらわからないし、ましてや素人にとってはもっとわからないでしょ。

そもそも一朝一夕にできることではないし、わかりやすいスローガンにのっかって、出来もしないことを叫ぶだけの政党に投票するのが危険であることは、前回の総選挙で身をもってわかった人多いと思うんだけどなぁ。

今回の選挙はそういった意味で日本人の知性がとわれるものになるかもしれないですね。


と、関係ない話はここまでにして、久しぶりに読書の書庫を更新。

伊東潤「国を蹴った男」(講談社刊 税別1600円)


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といっても、二つ前の読書の記事と同じ作家さんですが(;'∀')

最近お気に入りの歴史物作家の伊東潤小説現代に書いてた作品をまとめた短編集。

基本あまり有名でない人物を主人公にとりあげることが多い作家ですが、今回のには石田光成や長束正家直江兼続、佐久間盛政、山上宗二今川氏真などそこそこ知名度のある人物もネタにされていました。

一番よかったのは表題作の「国を蹴った男」かな。

今川氏真御用達の蹴鞠職人が今川家が領地を失ったあとも氏真とともに行動していく物語。

氏真って戦国大名としてはヘタレ中のヘタレだけど、なんだかんだと江戸時代まで生き残って、和歌を詠みながら結構優雅に暮らしてるんですよねぇ。

こういうのって、趣味人としては信長や秀吉よりもうらやましい生き方かもしれないですよね。