読書の冬

先週末くらいから福岡でも一気に気温が下がったためか、自分の部屋で布団に入って、ぬくぬくと本を読む時間が心地いいです。


恩田陸チョコレートコスモス」(毎日新聞社刊 税別1600円)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/keibo222/20191209/20191209175517.jpg

今年の春先に発売されたの、今頃読みました(;^_^A アセアセ・・・

サンデー毎日で昨年まで連載されたた作品です。


恩田陸の本は何冊も読んでるのですが、ここ数年どんどん出版されてるので、読むほうがおいつきません。

自分も結構食わず嫌いでよほど特定の作家じゃないと、そうそう全部は買わないし。


内容は舞台演劇ものです。


若いながらもしっかりキャリアも積んだ舞台女優と大学入学したてで演技経験は全くないにもかかわらず脅威の才能でまわりを驚かせる少女。

この二人が新たに建設される劇場のこけらおとしになる伝説の映画監督がプロデュースする芝居をめぐって、それぞれの演劇人生をかえていくことになります。


ま、一言で説明すると「ガラスの仮面」の小説版ですね(^_^; アハハ…

作者もオマージュとして意識して書いたんじゃないでしょうか。

演技とか文字で表現しにくそうなものを書くのはすごく難しいと思うけど、作中の舞台やオーディションのシーンなんかは読んでて、その様子が浮かんでくるくらい臨場感ありました。

よくこんなの書けたなぁって思うし、すごく面白かったです。



古今東西、演劇をあつかった映画や小説、マンガはいろいろあるけど、「ガラスの仮面」が頂点だと思ってます。

画が古臭いとか、少女漫画とか関係なし。

読んでてそんなことは全く気にならないのがスゴイ。

演劇なんていうふうにジャンルを限定しなくとも、一つのテーマでこれだけ長い間読者をひきつける力のある物語なんてそうそうお目にかかれないでしょう。

以前も書いたけど、昔から単行本で集めてて、これだけは絶対に古本屋に売らないで、引っ越すたびに自分とともに移動していきます。

本棚の後ろのほうに並べてますけどね( ;^^)ヘ..

42巻まで出てますが、ここ数冊は5年に1冊くらいしか新刊でないし、「花とゆめ」でも思い出したようにしか連載されてないらしい(←さすがに伝聞)。

それでも続きが読みたくてたまらないし、完結するまで死ねません。。。っつーか、作者の美内すずえには死んでほしくありません(笑)

あ~、はやく43巻出ないかなぁ。


あ、すっかり「ガラスの仮面」の話になっちゃいました(^_^; アハハ…

どうもこの作品だけは語りだすととまらなくなっちゃって、すみませんm(。-_-。)m


でも、「チョコレートコスモス」もすごく面白いので是非よんでみてください・・・って、つけたしかよっ(さま~ず三村風)




平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」(光文社刊 税別1600円)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/keibo222/20191209/20191209175520.jpg

2006年度の「このミステリーがすごい」の第1位ということで買ってみた平山夢明の短編集です。

昨年のこのランキングは東野圭吾の「容疑者Xの献身」がぶっちぎりだったけど(当然だと思うが)、今年はかなりの混戦だったみたいっすねぇ。

しかもホラー作品が第一位。

ランキングに入ってたので読んでた作品もいくつかあったけど、今年はミステリーは突出して面白いのなかったのかもしれないですね。


で、この作品。


全部で8つの短編がおさめられてますが。。


めちゃくちゃグロイです。

よくこんなおぞましい話を思いつくもんだと感心するくらい。

常軌を逸した虐待のオンパレードで、まさに鬼畜系。



ヤクザに監禁され、処理する人間の死体を食べさせられ続ける男を描いた「Ωの聖餐」なんか場面を想像するだけでもウゲ~って感じ。


でも、人間って不思議なもので、怖いもの見たさってのはどっかにあるんでしょうね。

なんだかんだといって読んでしまいました。


この手の作品ばっかりは読み手を選ぶと思うので、お好きな方はどーぞ( ;^^)ヘ..