コクリコ坂から

久しぶりにこないだ試写で観てきた映画の感想を。



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1963年、横浜。

港の見える丘にあるコクリコ荘。

その下宿屋を切り盛りする16才の少女・松崎海。

彼女の通う高校では歴史と思い出のつまった文化部部室の建物、通称“カルチェラタン”を取り壊すか保存すべきかのちょっとした紛争が起っていた。

そこで、海は建物を守ろうとする一学年上の風間俊と出会い、お互い惹かれ合うようになるが…。

スタジオジブリの最新作。

原作は1980年に「なかよし」に連載されていた作品のようです。

監督は「ゲド戦記」が不評だった宮崎駿の息子の宮崎吾郎ですが。。。

ジブリのノスタルジーものにはハズレはないですね。

個人的にはすごく良かったです。

昭和30年代、人々がごった返して、工事の騒音も響く中でも、まだ海は青くて、緑が輝いていた、そんな時代がジブリらしい温かみのある絵で描かれています。

当時の高校のバンカラな雰囲気や海と俊の恋愛模様も微笑ましかったし、みんなが貧しくて、不便なことも多いけれど、希望に満ちている様子というのも感じ取れました。

今よりも大変な時代に決まっているんだけど、うらやましく思えてくるから不思議です。

現代ってすごく便利でみんなそこそこの暮らしができてるけど、それ故に未来に対して希望よりも不安を覚えるような時代になっている気がします。

そういう意味では昭和38年の世界を描きながらも、観る側に「自分がどういう時代に生きているのか」を問いかけてくるような映画になっていました。

正直、ジブリアニメといえどもテーマが深いから、小中学生あたりにはこの映画の本当の良さって分からないんじゃないかと思います。

逆に作中の人物たちと同時代を生きてきた50代~60代の人にとってはかなりツボでしょう。

アラフォーの自分にとっても、どうってことのないストーリーなのに、心に響いてくるものはありました。


上映時間は1時間31分。

7月16日に公開予定。


ターゲット的にジブリのアニメのファン層とずれそうなので、興行的にはどうなるかわかりませんが、いい作品であるのは間違いないと思います。

上映時間も短いけど、満足度は高かったです。

オススメ。