ロンドン五輪のサッカー、男女とも日本の試合は全部、準決勝以降は他の国の試合も観てました。
日本は男子が4位、女子が銀メダルという結果。
まぁ、男子が3位決定戦で韓国に敗れたのは悔しい限りですが、前評判を考えれば、両チームとも健闘したと言っていいんじゃないでしょうか。
最終ラインの粘り強い守備とGK福元のナイスセーブ連発でしのぎきったあたりは根性見せてもらいました。
男子の場合は予選がスペインと同組で最初の試合からガンガンにいかないといけなかったというのが決勝トーナメント以降ジワジワきいてきた感じですね。
さすがにあのハイプレスはもっても2~3試合までなのは仕方なかったかなぁ。
メキシコ戦と韓国戦は完全にガス欠状態でしたからね。
エジプト戦でケガをした永井や東も準決勝、3決と先発出場したけど、どうみてもコンディション良くなかったし。
スローテンポになったときにボールを落ち着かせることのできる選手がいなかったのも準決勝以降の敗戦につながりました。
オーバーエイジの選手の使い方をもうちょっとなんとかならなかったかなぁ。
吉田麻也はいいけど、せっかくGKで呼んだのであれば権田じゃなくて林を使って欲しかった。
権田はメキシコ戦だけじゃなく、予選のイラン戦でもやらかしてるようにポカも多いし、フィードの精度も悪い。
もっとも準決勝のメキシコ戦については相手の力が上でしたけどね。
3決の韓国戦は相手のファールおかまいなしの激しさに球際で少し気後れしてるようにも見えました。
試合の質としては両チームまともにつなげずルーズボール拾ったもの勝ちみたいな展開でレベルは高くなかったですね。
メキシコは日本をほふった勢いのまま、決勝でもブラジル相手に勝ってしまったから、大したもんです。
逆にブラジルはあれだけの面子をそろえて金メダル取れなかったのは痛恨でしょう。
あまりに早い時間にポカで失点してしまってゲームプランが完全に崩れましたね。
メキシコは日本がスペイン相手にやったような序盤のハイプレスが見事にはまってました。
あそこをしのがれていたら、後半はスペースつかわれてボコボコにやられる可能性もあったろうけど、早い時間の先制で落ち着いてプレーしていたのが勝因かな。
期待はずれだったのが大会前はブラジルに次ぐ優勝候補だったスペイン。
予選リーグ無得点で2試合終わった段階で敗退決定はガッカリすぎでしょうね。
日本ではスペインのパスをつなぎまくるサッカーは支持されやすいけど、実はちょっと歯車が狂うとああいう結果につながりかねない恐れは常にあるんですよね。
守備の理論が発展している現代サッカーでは得点するにはまず堅守速攻が基本。
スペインA代表のようなパス交換しながら、徐々に押し込んでいくのって、選手の質をそろえるだけでなく、崩す意識を完璧に共有できないとまず無理。
詰め将棋やってるようなもんですからね。
「ここにパスを出したら、相手チームはこう動くから、その空いたスペースに味方が走りこんで・・・」みたいなのを3回連続くらい成功させて、はじめて決定的チャンスにもっていけるわけだから、そこに求められる連携やパスの精度は研ぎ澄まされてないといけない上に、シャビみたくそれを体現できるゲームメーカーも必要。
バルサだって、パスワークは確かにすごいけど、それだけじゃ崩せなくて、メッシの個人能力で相手ゴールをこじあけて勝つような試合だっけ結構あるし。
今回のスペインのU23はそういう意味ではメッシのような選手もいなかったし、A代表ほどの連携を生み出せなかったことが敗因かな。
パスサッカーの弱点という意味では今後の日本代表の反面教師的な部分として参考になったと思います。
最後に今回の五輪のサッカー中継を観て痛感したのが、実況する民放のアナウンサーのレベルの低さ。
めまぐるしく展開が入れ替わるサッカー中継で一番大切なのはボールを持っている選手、そのまわりの選手の名前をいかにテンポよくフォローできるかが勝負。
普段CSで日本や海外のリーグ戦でサッカー中継をやりなれているアナウンサーはそのへんほぼ大丈夫なのですが、代表戦くらいしかサッカー中継を担当しない局アナはそのへんがからっきし。
日本チームの選手はまだしも、相手チームの選手なんて2、3人の主力くらいしか追えていないことが珍しくありませんでした。
特にヒドイのが日テレのアナ。
先ほども書いたようにテンポよく選手名をつないでいくのがサッカー中継の基本なのに、いかにも「調べてきました~」と言わんばかりの資料読みをパスがまわってる間に繰り出してきやがります。
「そんなことしゃべってるヒマがあったら、相手チームの選手名もちゃんと覚えてこい」って言いたくなるってもんです。
日本のサッカーのレベルは確実に上がってるのに、それを伝えるマスコミのレベルの上がらなさはなんなんでしょうね。