梶尾真治「怨讐星域」Ⅰ~Ⅲ

ここのところ月イチくらいでしかブログ更新できてない。。

梶尾真治「怨讐星域」Ⅰ~Ⅲ(ハヤカワ文庫)


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太陽のフレア膨張による地球消滅から逃れるため、アジソン米大統領と選ばれた3万人だけを乗せた世代間宇宙船ノアズ・アークが、密やかに出航した。

残された人々はノアズ・アークを呪い、大統領の娘ナタリーの恋人が発明した星間転移で決死の脱出を図った――。 

2つの人類の目標は、172光年先にある約束の地。

生き残りを賭け闘う人間それぞれの受難、愛憎、そして希望を通して、世界の喪失と再生を描く、SF大河ロマン。

SFマガジンで9年にわたり連載されていた作品を文庫でイッキ読み。

地球に残されたはずの人々が星間転移施設で先に移住し、新たな星を開拓していく人々、ノアズ・アークで「約束の地」を目指す人々、誰が主人公というわけではなく、それぞれ受け継がれる世代ごとに描かれていくエピソードを重ねていくクロニクル的な手法により、物語が進行していきます。

そして、二手に分かれえた人類がラストでは「約束の地」で邂逅することになるわけですが、そこでお互いがどういう選択をするのかは。。

おいてけぼりにされて星間転移でサバイバルをしいられる本来なら「負け組」の人々が生き生きとしていて、いち早く地球を脱出してノアズ・アークに搭乗していった「勝ち組」の人々の方に閉塞感があったりする対比も感じました。

SFの細かい理論的なところを突っつきだせば、アラはいくらでもあるでしょうが、設定が面白いので、十分楽しめました。